アスペルガー症候群の恋愛の困りごとや対策を紹介

アスペルガーとは

アスペルガー症候群はASDや自閉症スペクトラムとも言われます。しかし、アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムのうちの1つ。特性として以下の点があるのが特徴です。

  • 対人関係を作るのが難しい
  • コミュニケーションをとるのが難しい
  • パターン化した行動や活動、興味がある

それぞれの特徴を解説します。

対人関係を作るのが難しい

アスペルガーの方は、相手の気持ちを想像することが苦手です。また、いわゆる「暗黙の了解」を察することも難しいという特徴があります。

また、感情表現が苦手、自分がどう見られているかを想像し辛いため場に合わない言動をしてしまう、といった特性も見られます。

コミュニケーションをとるのが難しい

本などで覚えた難しい言い回しを使うことがあり、「言葉遣いが独特」と思われることがあります。

また、会話や文章などにおいて「行間を読む」ことが苦手で、言葉通りに受け取ってしまいがちです。そのため、冗談や皮肉が理解できないケースがあります。

パターン化した行動や活動、興味がある

自分の中にあるルーティンを大事にしているため、急な予定変更などがあると不安やパニックになることがあります。

急な予定変更や新しい人間関係の構築といったことが苦手なため、そうした状況が少ない仕事を選んだり、孤立してしまったりします。

アスペルガーさんの恋愛の困りごと

アスペルガーの方が恋愛をするときに困っていることを紹介します。

言葉の裏に隠れた気持ちを察するのが苦手

雰囲気や態度などから気持ちを察するのが苦手なため、パートナーが何に喜んでいるのか・怒っているのかが理解できない場合があります。

例えば、プレゼントを渡して喜んでくれた場合に、パートナーは「自分のことを考えて選んでくれたのがうれしい」と思っていたとしても、それを伝えていなければ「プレゼントが喜ばれた」と思います。相手に喜んで欲しいときはプレゼントを渡せばいいと考えてしまうのです。

怒っている場合に、「どうして怒ってるの」とアスペルガーの方が聞いたとしましょう。パートナーが「怒ってない」と気持ちとは裏腹な回答をしたとします。すると、言葉をそのまま受け取りがちなアスペルガーの方は「怒っていないんだな」と判断してしまうため、察してほしいパートナーからすると余計にイライラが募ってしまうことがあるのです。

お互いに気持ちを素直に言葉にすることで、こうしたすれ違いは防げます。

遠回しな伝え方ができずに傷つけてしまう

その場の雰囲気を掴んだり、相手の気持ちを想像することが苦手なため、思ったことをストレートに伝えてしまう場合があります。

例えば、パートナーが新しい服を着て「似合う?」と聞いたとします。アスペルガーの方にとっては「似合うかどうか」を聞かれているため、もし似合っていないと感じていたら素直に「似合ってない」と伝えてしまうのです。

似合うと言ってくれると思っていた、似合っていなくても違う伝え方があるはず、とパートナーが思っていた場合は、そこでケンカになることもあるでしょう。

そうした場面が多くなると、お互いにうまくいかないと感じて別れてしまうケースもあります。そうならないためにも相手が何を言って欲しいのか、答える前に立ち止まって考えたり、相手に聞いてみたりする必要があるでしょう。

0か100かで考えてしまいがち

言葉を額面通りに受け取りがちなため、考え方や行動が極端になってしまうことがあります。

例えば、食事のメニューをどうするか相談したときに「何でもいいよ」と言われ、その通りにしたら、「そうじゃなかった」と後から言われてしまったり、過度な欲求にも応えようと無理をしてしまったりします。

また、「相手に嫌われたくない」という気持ちが強くなりすぎるために、何でも言うことを聞いてしまったり、執着しすぎる方もいます。そうなると、都合の良い人扱いを受けたり、逆に遠ざけられたりして関係性がうまく構築できません。

本当に言葉の通りでいいのか、相手の言うことにすべてyesと従っていていいのか考えるようにする必要があります。

一人の時間が欲しくなる

対人関係の構築やコミュニケーションが苦手なアスペルガーさんにとって、一人の時間は周りを気にせずにいられる大切な時間です。

好きなことに没頭したり、ルーティン通りに物事を進めたりと、ストレスが少ない中で活動できます。恋人といるのが嫌だというわけではなく、一人の時間を持つことで気持ちや心をリセットできるのです。

一人の時間が欲しいときは、パートナーと話し合って時間を作るようにしましょう。

アスペルガーの恋愛で考えておきたいこと

アスペルガーの方やパートナーの方が恋愛するときに知っておきたいことなどをまとめました。

本人もパートナーもアスペルガーの特性を知っておく

アスペルガーの方は、言外の情報をもとにしたコミュニケーションが苦手な傾向にあります。そのため、気持ちを伝えるときは「どの言葉にどう感じたか」をお互いに伝えあうのが大切です。

また、傷つく・傷つける言動をしてしまったときも、なぜそう思ったかをお互いに話し合いましょう。

書籍やネットの動画などで知識を付ける

アスペルガーの方の特性については、書籍やネット動画などにたくさんの解説があります。カップルが双方に話し合うことも大切ですが、客観的なとらえ方として第三者のまとめた知識を頭に入れておくのもおすすめです。

やり取りしている場では、相手の言動に対して対応するのにいっぱいいっぱいになってしまうことがありますが、落ち着いているときに書籍や動画などを見ることで、冷静に特性について知ることができます。

一人で考えこまないようにする

アスペルガーの方本人もそうですが、パートナーの方もアスペルガーの特性について、悩む場面も出てくるでしょう。そんな時に、一人で抱え込まずに相談できる場所を見つけておくのも大切です。

コミュニケーションが難しいというのは、想像以上にストレスもかかります。支援施設やクリニック、友人や家族など、相談できる場があるだけで、気持ちが楽になるはずです。

お互いに理解を深めるために、一緒に考えていくことは大切です。ですが、無理をしすぎてしまっては、良好な関係は築けません。一人で抱え込まずに、頼れるところには頼っていきましょう。

好きになってから付き合うまででアスペルガーさんが注意したいこと

アスペルガー症状のある方が恋愛をするときに気を付けたいことについてまとめました。

自分が好きなら相手も好きとは限らない

好きな人ができたときに、相手の気持ちを察することが苦手なため、「相手も自分を好きだ」と思い込んでしまうケースがあります。相手は自分とは違う他人であることを忘れずに、相手の気持ちも大切にしましょう。

相手の言うことを全部聞く必要は無い

好きだからこそ、相手の要望には応えたくなるのはアスペルガーさんもそうでない人も同じです。しかし、考え方が極端になりがちなアスペルガーさんは、相手の言葉をすべて受け止めてかなえようとします。自分が嫌だと思っていても、相手が望むなら…となってしまうのです。

悪意を持った相手だった場合、無理やり体の関係を持たれたり、金品を要求されたりと利用されてしまうケースも。嫌だなと思うときは断ってもいいのです。

相手の許可なく体には触らない

好きだという気持ちが強く出てしまう故に、ボディタッチしてしまうケースがあります。相手の体に許可なく触れるのは、男女どちらでもNGです。

最悪の場合、セクハラとされてしまう恐れもあります。また、過度に好意を伝えるのも、相手に負担を与えます。もし告白して断られてしまったときは、諦めることも大切です。

まとめ:「曖昧」な感覚を知っておくことが大切

アスペルガーさんは曖昧な言葉や態度を理解することが苦手な傾向にあります。ですが、意見や態度をはっきりさせないことというのは、往々にしてあるものです。

特に仕事や勉強ではない恋愛においては、いわゆる「駆け引き」という曖昧さを楽しむ傾向もあります。

感覚として理解は難しい場合でも、知識として持っておくことはできます。恋愛についての書籍や体験談などをもとに、知識の引き出しを日ごろから増やしておくといいかもしれません。

意識することで良い関係性を作っていける

アスペルガー症状のある方の恋愛は、そうでない方に比べると難易度が高く思えるでしょう。しかし、対人関係を作るのが難しいから無理、コミュニケーションが取れないから恋人ができない訳ではありません。

どういった特性があるかを知り、どうすればよいかを意識していくことで、良い関係性は築いていけます。
つまずくこともあるかもしれませんが、失敗を経験として次に活かすことで無駄になりません。

アスペルガーである、アスペルガーかもしれないときは、まずは自分自身を知るところから始めてみてはいかがでしょうか。

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