タロット占いを探ってみた

恋愛や仕事に悩むと気になってしまうのが占いではないでしょうか。情報番組の占い結果が気になったり、雑誌の占い欄をじっくり読んじゃったり。何かに頼りたい気持ちがそうさせるのかもしれません。

そんな占いの中でもっともメジャーなのがタロット占い。ネット上でも無料のタロット占いがあって、気軽に占えるのは魅力的です。

なぜタロット占いは当たるのか? 占ってもらうたびに不思議な感覚に包まれる、そんなタロット占いについて、現役タロット占い師に聞いてまとめてみました。

タロット占いについて

タロットカードの起源

はっきりとした起源はわかっていませんが、トランプから派生したカードという説が有力です。その根拠はカードのモチーフにあります。

タロットカードは大アルカナ22枚、小アルカナ56枚とグループ分けされていて、一緒に使ったり大小別々に使ったり。よく見るタロットカードと言えば大アルカナでしょう。

小アルカナは4種類のアイテムがモチーフになっていて、それぞれトランプカードとの関連性が感じられます。

  • ソード(剣):スペード
  • カップ(杯):ハート
  • コイン(金貨):ダイヤ
  • ワンド(棒):クラブ

トランプとの違いは枚数で、1モチーフ14枚構成となっています。

実はゲーム用のカードだった

タロットカードはゲーム用として使われていたそうで、ポーカーやブラックジャックのようにギャンブル性の高いものだったという話もあります。トランプ占いのように長い歴史の間で占い方が開発され、現在では完全に占術メインになりました。

タロットカードにはそれぞれ意味がある

大小合わせると合計78枚もあるタロットカード。今回は大アルカナをメインにいたします。

女帝・皇帝・教皇のタロット
皇帝(EMPEROR)のカード番号は4 社会的な権力の象徴となっている

はっきりとわかるカードがある

カードに描かれた性別や職業などで、どんな人物を表すカードなのか一目でわかるものがあり、そこから人物像をイメージできます。

  • 女教皇:女性で聖職者→独身女性、女性リーダー
  • 女帝:女性で既婚者→母親的存在
  • 皇帝:男性で権力者→父親や上司
  • 教皇:男性で聖職者→精神的に頼りになる人

女教皇なら独身女性で教皇なら精神的支柱。同じ教皇なのになんで教皇は独身男性じゃないのか気になってお聞きしたところ、「想像の範囲内ですが、昔は内緒で結婚している聖職者が多かったのに対し、尼僧で既婚者というパターンはおそらくなかったのでしょう」というお話でした。

正位置と逆位置で意味が違う

死・月・悪魔・吊られた男のタロットカード
正位置のときはマイナスの意味を持つ4枚のタロット。逆位置のときは…?

カードには正の意味・逆の意味が設定されていて、置いたときの上下で正位置と逆位置を判別します。事例として4枚の意味をピックアップすると、次のような意味があるそうです。

  • 死神:(正)物事の中断・停止、病魔
    (逆)ギリギリのところで助かる、病気は軽く済む
  • 悪魔:(正)固執した考え、囚われた状態
    (逆)目が覚める、解放される
  • 月:(正)ライバルの存在、騙される
    (逆)罠から逃れる、物事が明るみに出る
  • 吊るされた男:(正)犠牲になる、苦行
    (逆)犠牲ポジションから逃れようとする、もがく

タロットカードはいろいろな占い師が開発しているからなのか、特にこの4つのカードは本によっては正逆のニュアンスが顕著に変わるそう。例えば悪魔のカードだと囚われている状態は変わりませんが、正位置は望んで囚われていて逆位置は意味も分からず囚われていると解釈する方が多いそうです。

なぜ占い師によって受け取り方が違うのか?気になって仕方ありません(笑)。

タロットカードは組み合わせで読む

タロット占いにはいろいろな占い方(カード展開の仕方)があって、1枚引きといって22枚の大アルカナから1枚だけ抜きとって意味を読む(リーディングする)占いもありますが、ほとんどの場合は複数枚を引いて占うそう。カード単体で占うのではなく、前後のカードや全体性を見て最終的に読むので、まるで物語のような流れがあるのです。

前後のカードとの流れで読み取れるニュアンスが違ってくるので、それをマニュアル化するとカードの意味が膨大になってしまいます。なので、書籍に載っているものはあくまでも事例として捉える必要があるそう。1枚1枚をカードの意味通りに読むと、ちぐはぐな感じがして「当たらないな」となりますが、ストーリ性が出ると意味がわかりやすくなります。

占い師さんに「占い」について聞いてみた

なぜ占いをしているときに質問するの?

タロット占いだけではないでしょうが、占いをされながら占い師さんにいろいろ質問されること多くありませんか?

単刀直入にお聞きしたところ「占いたいテーマをお聞きしてカード全体のストーリーと照らし合わせて解釈します。ただそれも想像の域を出ないし、どうしても意味がつながらないことも。なのでカードが発信しているメッセージを的確にとらえるために、ぼやっとしたニュアンスを確認する質問をさせていただきます」とのことでした。

むやみやたらに聞いているのではなく、カードの意味を掘り下げたいという意味のようです。質問者から当たっている答えを聞き出そうとしているわけではないんですね(笑)。

誘導尋問して答えを探っているんじゃないの…?といった考えはしないでくださいね。

優れたタロット占い師ってどんな人?

前述のとおりタロットカードには、過去の事例を網羅した「意味付け」がされていて、ものすごく抽象的だったりもします。そんなぼやっとしたイメージ表現から占いのテーマに適した言葉を抽出するのが、優れた占い師の特徴です。

占い師自身がどうしても言語化できない感覚があれば「こういう意味なのかな?」と質問することはあるそうですが、基本的には全体の流れから判断されるとのこと。質問者の現状と照らし合わせて解釈し、言葉を選んで紡いでいく、そこに占い師のカラーがでます。

過去の話は質問者と答え合わせができるのである意味簡単だそう。問題は未来のこと。というか、未来を知りたくて占ってるんですからそこを外してほしくないです(笑)。

占い師の経験値って占いに影響するの?

「この流れだとこんな状態になりそうという流れはカードから読み取れますが、具体的な出来事まではわからないこともあり、その場合占い師の経験や相談事例のストックが生きてきます」と占い師談。

たとえば「彼氏とケンカして仲直りできる?」といったテーマだと、未来にあまり良くないカードが出たら「しばらく後を引きそう」、かなり良くないカードが出たら「悪化しそう」と表現できます。良いカードが出たら「仲直りする」と言えますが、自然に仲直りするのか、どっちかが謝って仲直りするのかなどは占い師の想像力も判断材料のひとつ。質問者との会話で「こんなタイプの人なんだな」と掴んだ感触で話すこともあるそうです。

タロット占いの実際

私の体験談

私自身もタロット占いで注意されたことがありました。「事故に気をつけてね」と言われたのですが、正直事故なんて日常茶飯事で発生する確率は高いもの。気をつけるのは当たり前だよって思ったのですが、まあ言われたので運転するときはいつもより少し注意しようかなぐらいの感覚でした。だって今まで事故ったことないしと。

ところがある日、大きな道路の交差点で「赤信号で直進だけOK」という場面がありました。右折したい私は左横をぶんぶん飛ばして通過する車に感化されて、「私も進んで大丈夫?」と認識違いを起こしてしまい…。対向車が少なくなったのを見計らって右折したつもりが、スピードの落ちない対向車にぶつけてしまいました。完全に私の判断ミスです。

事故は幸い人身には被害がなく、物損事故として処理されましたが、ぶつけた車はフレームが狂い、直すより買い直した方が安いということで廃車に。「あの忠告はこういうことだったのか!!」と後悔先に立たず、というオチになってしまいました。

直接的なメッセージが出ることも

ある友人はタロット占いで「今後の健康は?」と占ってもらいました。占い師からは「人間ドックとかされましたか?」とのこと。まだだったのでこれからであると伝えると「ついでにオプションで脳ドックとかも受けるといいですね」と言われ、ついでなら少しは安くできるからと受診、そこで8mmの脳動脈瘤が見つかり、これ以上大きくなる前にとカテーテル手術を受けて完治。喫煙者でほかにも健康不安のある友達は「タロット占いで助かった」と感謝していました。

もちろん良いメッセージもある

これは占い師からお聞きした事例です。

資格試験に合格する? という質問で魔術師の正位置がでたとのこと。学問を意味するカードなので合格するのは分かったけど、どうすれば合格するのかまで伝えるのも占いの一環だそうで、前後の流れから「新しい取り組み方」が強くイメージできたとのこと。毎日だらだら勉強して不安になっていたようなので「しっかり睡眠をとって短時間で集中して勉強しましょう」とアドバイスしたところ、メリハリが効いて自信がでて、結果合格した!と御返事があったそうです。そのアドバイスをしようって考えたところがすごいなと思いました。

気になる人と付き合える?という質問には太陽のカードが。友情を意味するカードなので、まずはお友達からスタートだろうと。その後は彼女の人となりが気に入られて無事お付き合いがスタートしたそうです。

タロット占いとの上手な付き合い方

自分の体験や占い師に裏側を聞いてみて感じたのが、「当たるも八卦当たらぬも八卦」という言葉で片づけるのではなく、相談に乗ってもらう感覚で占ってもらうとちょうどいいのかもということです。アドバイスをどう生かすかは本人次第と実感しているので(涙)、今後をどう過ごすべきか?に意識をもっていく手段のひとつとして考えるのがベストだと思います。

お聞きした占い師さんは「人生ってたった今選択したことで、方向性がガラッと変わることもあれば、ちょっとした差しか変化を感じられないこともあります。けれど、分度器で測った1度の違いでも、どんどん先を進んでいくと元の道とは大きく違うもの。占いの結果なんてそんなものです。短いスパンで当たる当たらないと一喜一憂するのではなく、将来をよりよくするためのアドバイスとして受け取る、そして活かす。それが占いの本当の姿だと思います」と仰っていました。深い言葉です。

もしも占いジプシーになってしまっているなら、アドバイスとして受け取ることを意識するともっと自主性をもった選択ができそう。人に依存せず自分のテーマを解決できる、それが一番良い未来だと思います。

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